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自賠責保険とは,自動車事故による人身事故の被害者を救済するために,法律が強制加入を定めている保険のことをいいます(自動車損害賠償保障法第5条)。
自賠責保険は,人損についての賠償をするものであり,物損については賠償の対象とはなりません。また,人損についての損害全額を支払うものではなく,一定の限度額で支払いがなされます。一定の限度額を超えた損害については,加害者本人又は任意保険会社から支払いをうけることになります。
自賠責保険は,自賠責保険株式会社といった会社が扱っているのではなく,複数の民間の保険会社が取り扱っています。そのため事故の被害に遭った場合には,加害者の加入する任意保険会社の他に自賠責保険会社がどこであるかも確認しておくのが望ましいです。
自賠責保険会社がどこであるかは,大きく@加害者の方の自動車損害賠償責任保険証明書を見せてもらうという方法とA交通事故証明書を取得するという2つの方法があります。
自賠責保険は,人損のすべてを補償するものではなく,損害を一定限度額で補償するものであり,その内容は大まかに以下の通りとなります。
自賠責保険は,大まかに下記の基準で損害の補償がなされます。
自賠責保険と任意保険の関係は,大まかに言うと,自賠責保険が最低限の補償をし,任意保険は自賠責保険の範囲外の部分を補償するという補完関係にあります。
理論的には,自賠責保険会社から賠償金をもらい,任意保険会社から残りの賠償金をもらうという関係になりますが,それだと被害者が2つの保険会社とやり取りをしなければならなくなり,手続きが面倒になります。
そのため多くのケースでは,加害者が加入している任意保険会社が被害者の代わりに病院への治療費等の支払いや自賠責保険への請求を行うことにより,窓口を一本化し,被害者の方は任意保険会社とのやり取りのみで手続をすすめることができるようにしてあります。このような方法を一括対応(一括払い)と呼びます。